『成績の真ん中はいくつですか?』
という問い自体が、恣意的なんですが
それを取れる生徒以外は間違いなく
『3です。』
と答えてくれます。
もちろんある意味正解であり、間違っていないのですが
ここでの回答は
『違います!!!』
だいたい、この回答に対して、間違いなくみんな『え??』となります。
内申は1~5までの5段階であり、その意味での真ん中は3になります。
だからこそ、ほとんどの生徒は3を基準に『そろそろヤバい』とか『まだ大丈夫』と判断します。
ここを崩すところから始めなければなりません。
国語 | 社会 | 数学 | 理科 | 音楽 | 美術 | 保体 | 技家 | 英語 | |
5 | 21.8% | 35.8% | 22.3% | 29.1% | 14.5% | 14.0% | 35.8% | 14.5% | 30.2% |
4 | 30.7% | 17.9% | 28.5% | 27.9% | 49.2% | 36.9% | 35.8% | 30.2% | 22.9% |
4以上 | 52.5% | 53.5% | 50.8% | 57.0% | 63.7% | 50.9% | 71.6% | 44.7% | 53.1% |
3 | 30.7% | 38.5% | 37.4% | 30.7% | 30.2% | 43.0% | 25.7% | 43.0% | 28.5% |
2 | 15.6% | 6.1% | 10.6% | 11.2% | 3.9% | 3.4% | 0.0% | 10.6% | 16.2% |
1 | 1.1% | 1.7% | 1.1% | 1.1% | 2.2% | 2.8% | 2.8% | 1.7% | 2.2% |
これは昨年の卒業生の中学3年生次の内申の分布表です(今年の卒業生の分ははこれから発表されます)。
メイン中ということで、こちらを例にとってみましたが
どうでしょうか?
おそらく
思ったより。。。
という反応になると思います。
そもそも昔の相対評価(各成績の人数が決められている)と異なり、いまは絶対評価ですから
決して5はとりにくい成績ではない
というのが見て取れるのではないでしょうか。
取りやすい社会や保体では、3人に1人以上の割合で5をもらっています。
いちばん取りにくい美術でも、7人に1人くらいの割合で5をもらっています。
相対評価の頃は、10%いくかいかないか、くらいだったのではないでしょうか。
この年、この学校では、こんなに5がもらえているのです。
そして注目すべきは4以上の割合
技術・家庭科以外は全て、50%を超えているのです。
3を取るより、4ないし5を取る方が簡単である
特に保健体育に至っては、実に70%を超える生徒が4,5をもらっており
むしろ3では低い部類になってしまうのです。
3が真ん中であるという感覚からぬけ出し、3であることの危機感を感じなければいけません。
ただ、ここでひとつ疑問が生じます。
それならば、成績を高くつける学校の生徒が有利ではないか
これを相殺するためのものが『学校評定合計平均値』であり
これは純粋に全生徒の3年間の内申の合計を平均したものです。
千葉県はこれを95
を基準と定め、これより高い(成績をあげている)場合はその分マイナス、逆はプラスするようになっています。
つまり、この中学校の平均は94(少しだけ厳しい)なので、差の1だけ、入試での内申にプラスされるようになっています。
言ってみれば、あげたい放題
とはいかず、結局、絶対評価でありながら、相対評価的な人数調整が入ることになります。
なので、この県の基準がいわば、3年間の成績の真ん中であり
例えば、3年間オール3を取り続けると、合計81ですので、圧倒的に足りない。
ということになってしまいます。
ここで、先の表から、言い方を変えると
学校で、平均程度にこなせる(平均点がとれる)生徒であれば、それは真ん中ということであり
真ん中ならば3か4がもらえる(むしろこの例であれば4のハズ)。
それを分けるのは何なのか
ということです。
授業態度
提出物
関心・意欲
積極性
いろいろ挙げられると思いますが、それをひとことでまとめるならば
成績を取ろうという意識です。
平均を超えるためには4をとらねばならない
3があれば、5が同じ数なければ平均は4にはならない
そういった、現状の数値が持つ意味、そこから上げようという気持ちが生まれて初めて
成績に対する意識が生じ、行動に変わるのです。
この行動が潜在的にできる生徒ももちろんいます。
が、多くの生徒はしようとすら思っていないし、中にはそれを避ける生徒すらいます(反社会的意識というのでしょうか、特に男子はこういう行動を恥ずかしがる傾向があります)。
だからこそ、成績を上げようと意識して行動すると、実際に上がるものなのです。
こういう話は、学校ではされません。
だから、本人に気づけ、といっても無理な話です。
これは、周りが(特に保護者が)してあげるしかありません。
たいていの子は、この話で気持ちが変わり、行動に変化が現れます。
内申は3年ではなく、1年からだと意識していますか?
3でまだ大丈夫だと安心していませんか?
2がひとつでもあったりしませんか?
ひとつでも該当があればすぐに行動に移すことをお勧めします。