It is no use crying over spilt milk.
- この場合の『it』は『形式主語』といって、『動名詞』句や『不定詞』句が主語として長いときに、代わりに主語として置くものであり、先に『it』が出てくることで、聞き手は『it』が指すのはなんだろうなぁ、と強調されるのです。
Crying over spilt milk is no use.
↓長いので『it』で置き換え
It is no use crying over spilt milk. - 『use』は『使用、用途』であり、『no use』で『ゼロの用途→使えない(=useless)』となるわけです。
『It is no use ~ing』の部分をまとめて『~するのは役に立たない』と構文にしてしまう場合もあり。
この場合はもちろん『~ing』の部分は『to~』と『不定詞』にしてもOK - 『spilt』は『spill(こぼす)』の『過去分詞』形で、『~された(状態)』と『受け身』の状態を表すので、『こぼれた』という意味になる。『spilt milk』で、『こぼれたミルク』であり、これが『覆水』の部分である。
- 『cry over~』で『~を嘆く』という意味だが、このこぼれ広がっているミルクを想像すると、『over~(~を越えて、~じゅう、一面)』を使い、『cry(泣く)』様が思い浮かぶのである。
それにしても、このことわざをまず一度丸暗記してしまってから、構造を理解すると、これだけたくさんの文法が身に着く。一度で理解できずとも、ことわざの中で繰り返し出てくるので、いつの間にやら自然と身についてくるのですよ。