今年は理科が前期・後期ともに平易になったのが特徴でした。
基本事項をしっかり押さえて覚えていれば
問いに対しての答えがストレートだったので、答えやすいものばかりでした。
まったくと言っていいほどひねりはなかったので
上位になればなるほど、単純なミスが響くことになります。
【記述-用語】染色体・天気図記号の読み取り・体循環・示相化石
全て基本的な用語で、ここで落とすのは致命的。
【記述-文章】成長の説明・音の変化・サンゴの特徴
問いに対して解答が直接答えられるものであり
しかも代表的な問いなので、難易度は低い。
【計算】体積・濃度・仕事率・運動の速さ
仕事率の単位が小さく、早さがm/s指定だったので、若干単位ミス誘発を狙った感はあるが
難易度は低く、ここは押さえておきたい。
【1】遺伝、植物の生長
(1)塩酸のはたらきは
①成長を止める
②細胞をバラバラにする→結びつきを弱くする
表現で迷うことはあっても、間違うことはない。
(2)顕微鏡における倍率と視野や明るさの関係
高倍率→視野は狭く、明るさは暗い
つまりmの選択肢は全て正解で、対処法の正しさを問うている問題で、その意味ではいやらしい。
視野が狭くなければ普通に正解できる。
(4)aが長くなる=成長する=細胞の数が増える+それが大きくなる
で、鉄板の記述問題。定期テストでも必出の単元で正解できた受験生も多いだろう。
【2】音
(1)簡単ではあるが、意外に正解率は低く出そうな問題。
振幅を上限から下限までと勘違いしている生徒は多いだろう。
(2)(3)(4)
高い音=振動数が増える←玄を短く、細く、張りを強くする
大きい音=振幅が大きくなる←強くはじく
の関係さえ覚えて入れば間違い書ようのない問題。
ただ、時間に焦っている生徒にとってはなかなか「同じ」-「同じ」は選びづらい
対照実験の条件を問う、前期とつながる問題。
【3】天気
(1)個人的に「春一番」は衝撃的だった。
単発で出ていたら答えらえる自信がない。
解き方的には
A風が弱く穏やかに晴れた日→等圧線の幅が広く、日本が高気圧に蔽われている=図1
C季節風が強かった日→日本の北に低気圧があり、西高東低の気圧配置になっており、等圧線が縦に走っている=冬で図3
若干BとCの違いを高気圧に見て、「春」一番→揚子江気団を連想すると間違いを誘発される可能性も。
そもそも「春一番」は冬に吹き、低気圧が西にあると南からの暖気が流れ込むが、低気圧が北上するとともに天気は荒れ、まさに「冬型の気圧配置」になる、この時期特有の現象であり、この受験にはタイムリーな問題であった。
実質2択の問題であり、正答率はそこそこいくだろう。
(2)(3)(4)
これはいずれも基本の問題で、正答率も高い落としてはならない問題。
【4】物質の性質、密度
(1)(2)(3)(4)
全て平易な問題。
特に体積を出す計算問題は、図を使った問題ならまだしも
数字で表記があれば間違いようがない。
密度もグラフ形式であれば多少正答率も落ちるが、数字が直接出ているので(計算すれば)間違いようがない。
水以外の物質は液体→固体で体積が減る
これは粒子間の結びつきが強くなることにより、密度としては大きくなる。
【5】血液の循環
(1)①②(2)(3)
同じく全て平易な問題。
ただし、心臓しか図にはなく、血液の血流が書いてないので、しっかり仕組みを覚えていない生徒は(1)で落とすだろう。
これで弁も見れない略図形式だとさらにもう一段難易度は上がる。
左心室(右下=筋肉が一番厚い)をスタートに→大動脈→全身→大静脈→右心房→右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房→左心室に戻ってくるまでの作図は出来るようにしておりきたい。
【6】電気分解
(1)(2)(3)①②
同様に全て平易。
満を持して出た濃度の問題も
塩化銅の量から水の量を求める問題なら、多少の誤答も出るのだが、さすがに学校でも演習するようになったので出来る。
【7】仕事とエネルギー
(1)(2)(3)(4)
これも全て基本問題で、いわゆる学校のワークレベル。
ただ、上記の理由で、計算問題は簡単ながら計算ミスは誘発されそう。
【8】地層-示相化石
(1)①②(2)(3)
同じく全て基本問題。
どの受験生も一度は経験したことのある問題しかない。
示相化石=環境を示す=環境が限られる=いつでも見られる
示準化石=地質年代を示す=年代が限られる=どこでも見られる
の関係はしっかり押さえておきたい。
全てワーク問題といった感じで、定期テストレベル。
平均点は70点くらい出てもおかしくないくらいで
ただ、前期組抜けの関係で前期より少し上がるくらいか。
昨年後期よりは大きく上がるだろう。