理科に引き続き数学を回顧しておきたい。
結論から言えば、前期に引き続き非常に解きやすい問題だったと言えよう。
【1】計算
計算ミスを誘発する問題もなく、前期以上に簡単。
(2)でマイナスの数がかかっていたり、(3)が引き算であれば、まだ正答率は下がるが
ここは絶対に落としてはならない。
【2】小問集合
(1)~(4)
全て基本レベルの問題だった。
(2)の円錐は三平方の定理を必要とする問題であったが、図でそのまま直角三角形が見て取れたので容易。
(5)の作図は90°でACを直径にすることは思い描けたと思うが、30°を円周角にし、中心角60°の作図をするのは難しい。
ただし、25年の前期でこの手法は出たので、(過去問で遡れる4年前ということもあり)しっかり解き直しをしていた受験生は解けたであろう。難易度以上に正答率は上がるか。
【3】関数
(1)と(2)は絶対に取らなけらばならない問題。
(3)2つの三角形が底辺円をを共通にしているので、面積比=高さの比となる。
つまり、点Pのy座標が決まるので、それをy=x²に代入して点pのx座標を求める。
後は直線APの式を求めて、x軸との交点を求めればよい。
上位校を目指すなら取らなければならない。
難しくはないが、分数が出てくるので、焦りで途中で挫折する生徒は出てくる。正答率は落ちる。
【4】平面図形-証明
証明はいつになく平易で、解けた生徒も多く出てくるハズ。
時間との兼ね合いから、捨てにする生徒もいるが
今回は手順も少なく出来たので、後期に向けては証明も必ず練習しておきたい。
(2)は今回の入試の中では最も難易度は高い。
それでも証明の相似な図形にもっていけばいいことは明白なので、迷わず解きに行けた生徒も多かったハズ。
分数が出てくるが、相似な図形(チョウネクタイ型×2)を見つけて順に比の処理をしていけばいいだけ。
上位校では落としたくない問題。
【5】図形の移動
平成23年に指導要領が移行されてから、出そうで出なかった回転移動の軌跡の面積が出た。
『学伸奏の杜』では直前にここは全て総ざらいしたが、過去問に絞っていると手が出なかった受験生もいるだろう。
(1)意外に90°の回転移動はイメージできない生徒はいるので、少し正答率は落ちる。x座標とy座標の関係が入れ替わる。
(2)CからABへの垂線とABが交わった点をPとすると、△OCPが直角三角形で、三平方の定理が使える。次の問題にも続くので、落としたくはないが、正答率は低めに出るだろう。
(3)先に移動する点(C)が描くおうぎ形の面積から後に移動するおうぎ形(A)の面積を引けばいいだけなのだが、解き慣れていない生徒には難しい。正三角形を斜線ごと入れ替えるとそのことに気づけるだろう。必然的に(2)より正答率は落ちる。
全体として
大問の1、2が全て解きやすい内容であること。
作図ができなかったとしても大問3の(1)と(2)が得点できれば60点に達すること。
証明の記号選択はもちろん、証明自体も書きやすかったこと。
上位陣であれば、かなりの高得点も可能なこと。
全てを加味すると数学でも平均60に達することも可能かもしれない。
60ちょい手前くらいを想定。