H30千葉後期試験(理科)

2018/03/02 投稿

いよいよ今年の入試も終わりました。

前期としては例年になく平均点が高そうな今年でしたが、後期がどうなるかは非常に気になっておりました(後期は時間が短いぶん、問題は簡単になる傾向があるため)。

 

結果、むしろ前期より得点しづらい印象で、そのため昨年よりは平均点が下がる、というのが見立てです。

【記述-用語】恒星、発熱反応、温暖前線

全て基本的な用語で、ここで落とすのは致命的。

用語としては、実験(カイロの発熱実験)からだけで判断すれば、発熱反応が一番難しいが(吸熱反応だともう一段上)、「熱を発して」ともろヒントが出ているので、全ていけるだろう。

【記述-文章】交流、仮根、温暖前線と雨

いずれも難易度は高くない。

問題的には仮根が一番が高いのだが、問題に直接「仮根」の記述があるだけで、難易度が大きく下がる。

【計算】電力量と時間、定比例の法則、仕事量と時間

方や値が大きくなり、方や値が小さくなり、昨年同様、若干単位ミス誘発を狙った感はあるが

難易度は低く、落としてはならない。

若干、【5】の定比例で「小数第2位で四捨五入」というのを、小数第2位まで答えてしまわないか気を付けたい程度。

 

【1】太陽

全てベーシックな問題

黒点(4000℃)が周り(6000℃)より温度が低い。というのは意外に受験生の記憶に残る基本的な問題。

ただ、(3)は意外に落としやすい問題。特に問題慣れの少ないbの方は正答率が落ちる。

 

【2】気体の性質

非常に基本的な気体の性質と分類。

「火のついた線香を入れると、線香は激しく燃えた」=酸素

などは小学生時にすでに覚えているだろう。

(3)の塩素の色は意外に抜けていることはあるので、ここが多少正答率が落ちるか、程度。

「えんそ(く)とゆきおひさし(遠足と雪、お久し)」

と=溶けやすい

ゆ=有毒

き=黄緑色

お=(空気より)重い

ひ=漂白作用

さ=殺菌作用

し=刺激臭

まとめて覚えておきましょう。

 

【3】並列回路と交流

前期でH26前後期の二番煎じ(図がかなり重複していた)か、と思ったのだが、ここでも錯覚か、と思うくらいであった。

難易度も非常に平易ではあるが、(1)の電流の流れる向きが「周期的に」変わる

という教科書の表現がそのまま使えるか、というと話は別で

おそらく学校裁量で幅広く正解にはなると思うが、得点率が下がる可能性はある。

受験の焦りがあるので、難易度は低いが、正答数の見えない(2)の(a)は、この大問の中で一番正答率が低い可能性はある。

 

【4】植物の分類

(1)が図からの判断としては難しい(シダ植物の葉柄の断面図はほぼ扱わない)。

ただ、消去法で茎の断面図を知っている双子葉、単子葉類を消し、維管束のないコケ植物を消せれば必然的に正解になる。

ただ、実際は落ち着いて思考を回せないので、少し正解率は下がりそう。

 

【5】酸化と熱分解

(2)の銀の熱分解は化学反応式としては難易度が高いものになる。定番のものであり、定期テストでも必須のものなので、そこまでではないだろうが、正答率は下がる。

 

【6】有性生殖

有性生殖の中では「胚」や「発生」の定義があいまいな受験生は多い。

消去法でいければ正解にたどり着きそうだが、見慣れない選択肢のウに飛びついてしまいそうな受験生は多かったと思う。

そういう意味では、正解をエに持ってきたのは出題者の意図。

全体的に難易度自体は高くないが、この問題は正答率が下がりそう。

 

【7】前線と天気

全てオーソドックスな問題。

ただ、「寒冷前線が通過すると気温が下がる」

とだけ、機械的に覚えている生徒は多いので

選択肢が多いぶん、(2)の②の完答率は下がると考えられる。

 

【8】運動と仕事、エネルギー

標準的な問題で、標準的な質問なので、ここで間違えてはならない。

ただ、計算は問いの中に数字がちりばめられているので、(最後の最後なので)時間のゆとりのない生徒は完答しきれない気がする。

J(仕事量)=N(力)×m(距離)

J(仕事量)=W(仕事率)×S(秒)

そのままではあるが、計算の中では一番得点率は下がりそうではある。

 

手計算では59.2点となり

印象としては(答えられるが)知識外からの問題が2問と、昨年後期と同じだった。

問題としては非常に親切なつくりで、答えやすかったと思う。

明らかに難しい問題があった前期よりは上がり、昨年後期と同程度か、微妙に下がる程度だと思われる。