『定期テスト』では取れるのに、『模試』ではとれない
言ってみれば入試で得点できない可能性の高いこの現象
どうして起きてしまうのでしょうか。
そもそも『定期テスト』と『模試』の違いは何??
『定期テスト』と異なる『模試(入試)』の最大の特徴
それは問題が『初見問題』である、ということです。
つまり、初めて見る問題を、読み、理解し、答える。
数学では、さらに解答までのプロセスを構築しなければなりません。
これは、問題を本当に理解しているか
が問われるために
『問題を解く力』というものが試されます。
これに対して、『定期テスト』に関しては
基本はワークというお手本があり、先生が出すと言ったところを中心に
1度は解いたことがある問題(の類題)が出題されます。
国語では、読解問題風でありながら、その本文が初見である(極端に言えば、読む必要もない)ことは絶対にありません。
言ってしまえば
『定期テスト』は『暗記問題』であり
『考えることなく』答えにたどり着けます。
これに慣れてしまっている生徒にとっては、『初見問題』は何をしてよいかわからず
思考回路停止状態に陥ってしまうのです。
これもまた過去の生徒ですが
中2の夏に入ってきたときは379点、8割に満たないくらい
内申は合計31、オール4には届かない
といった感じの生徒がいました。
授業でも、そんなに出来る、という感じはなく、むしろ反応が悪いくらいの感じでした。
ところが、とにかく小テストは強かった
テスト対策での、テスト前テスト(直前のテスト)でも、1回目は必ず悪い点を取るのですが、次の時までには完璧に修正してきます。当てながらの問いかけも、同じ範囲ならば2回目は恐ろしいほど完璧です。
そして、中間では8割を超え、期末では9割近く
3年次には463点も取れるようになっていました。
成績もいきなり2学期には9も上げて41に。5科目では数学以外は5
3年次には主要5教科はオール5が取れるまでになりました。
この生徒の初めての『模試』での数字は47
以降、2年次は50を超えることはありません。
これが、3年の夏まででも最高で53、とてもオール5に近い生徒の『偏差値』とは思えないかもしれません。
これに変化が現れたのは、やはり夏以降、総合問題を徹底的に解きだしてから。
自分がなぜ間違え、何を理解していなければならないのか、過去の知識と結びつける作業をし始めてからです。
夏を終えて、一気に57まで上がり
最終的には60も出るようになりました。
印象的だったのは、高校卒業後に
保護者とお話したときに、「いまごろ、『あの時、先生の言っていたことが、いま理解できるようになった』なんて言ってますよ」とおっしゃっていたこと。
『考える力』とはこういうものです。一朝一夕では身に付きませんが、必ず伸びます。
前回の話の中で登場したオール5の生徒も、最終的には64まで伸びて、その学区のトップ2に前期で軽々と合格しました(平均がとても低かった中で、そう言っていいくらいの得点でした)。
『問題を解く力』を伸ばすには、それなりの演習量と時間が必要である。
そして、問題を解くときの取り組み方も大切になってきます(ただたくさん解くだけではダメです)。