模試(定期テストとの違い②)

2015/05/15 投稿

『定期テスト』では取れるのに、『模試』ではとれない

言ってみれば入試で得点できない可能性の高いこの現象

どうして起きてしまうのでしょうか。

 

そもそも『定期テスト』と『模試』の違いは何??

『定期テスト』と異なる『模試(入試)』の最大の特徴

それは問題が『初見問題』である、ということです。

 

つまり、初めて見る問題を、読み、理解し、答える。

数学では、さらに解答までのプロセスを構築しなければなりません。

 

これは、問題を本当に理解しているか

が問われるために

『問題を解く力』というものが試されます。

 

これに対して、『定期テスト』に関しては

基本はワークというお手本があり、先生が出すと言ったところを中心に

1度は解いたことがある問題(の類題)が出題されます。

国語では、読解問題風でありながら、その本文が初見である(極端に言えば、読む必要もない)ことは絶対にありません。

 

言ってしまえば

『定期テスト』は『暗記問題』であり

『考えることなく』答えにたどり着けます。

これに慣れてしまっている生徒にとっては、『初見問題』は何をしてよいかわからず

思考回路停止状態に陥ってしまうのです。

 

これもまた過去の生徒ですが

中2の夏に入ってきたときは379点、8割に満たないくらい

内申は合計31、オール4には届かない

といった感じの生徒がいました。

 

授業でも、そんなに出来る、という感じはなく、むしろ反応が悪いくらいの感じでした。

ところが、とにかく小テストは強かった

テスト対策での、テスト前テスト(直前のテスト)でも、1回目は必ず悪い点を取るのですが、次の時までには完璧に修正してきます。当てながらの問いかけも、同じ範囲ならば2回目は恐ろしいほど完璧です。

 

そして、中間では8割を超え、期末では9割近く

3年次には463点も取れるようになっていました。

成績もいきなり2学期には9も上げて41に。5科目では数学以外は5

3年次には主要5教科はオール5が取れるまでになりました。

 

この生徒の初めての『模試』での数字は47

以降、2年次は50を超えることはありません。

これが、3年の夏まででも最高で53、とてもオール5に近い生徒の『偏差値』とは思えないかもしれません。

 

これに変化が現れたのは、やはり夏以降、総合問題を徹底的に解きだしてから。

自分がなぜ間違え、何を理解していなければならないのか、過去の知識と結びつける作業をし始めてからです。

 

夏を終えて、一気に57まで上がり

最終的には60も出るようになりました。

 

印象的だったのは、高校卒業後に

保護者とお話したときに、「いまごろ、『あの時、先生の言っていたことが、いま理解できるようになった』なんて言ってますよ」とおっしゃっていたこと。

『考える力』とはこういうものです。一朝一夕では身に付きませんが、必ず伸びます。

 

前回の話の中で登場したオール5の生徒も、最終的には64まで伸びて、その学区のトップ2に前期で軽々と合格しました(平均がとても低かった中で、そう言っていいくらいの得点でした)。

『問題を解く力』を伸ばすには、それなりの演習量と時間が必要である。

そして、問題を解くときの取り組み方も大切になってきます(ただたくさん解くだけではダメです)。