定期テストの波がいったん過ぎて、ちょっと落ち着いたところで入試のおさらいをしとこうと思ったのですが、いつの間にやらもう平均点が出る頃ですね(苦笑)
解き方のメモに残しておきます。
【記述-用語】風化、無性生殖、電解質
いずれも基本的な用語ではあるが、「風化」は受験生が覚えづらい用語。
流水のはたらきで「削られる」現象→浸食
温度変化や風雨により、表面が「ぼろぼろになる」現象→風化
浸食は忘れないが、風化は忘れやすい用語。
芭蕉の「祇園精舎」より
ぼろぼろ→塵になる
『ひとえに「風」の前の塵に同じ』
言葉を繋げて引っ張り出せるようにしたい。
【記述-文章】蒸留、抵抗と電流、反射
いずれも代表的で、全県問題や過去問で必ず見ている問題。
ただ、反射は定期テストでは必須だが、入試の記述であまり見ないので、簡単すぎて(空欄に比して文字数がいらない)落とすケースは考えられる。
蒸留の問題は「表を見て」という条件につられて、「水より沸点が低い」という条件に加えて、「燃えやすい」という不要な条件を加えた時の採点裁量が気になるところだったが、これによる減点はないようなので、容易。
電流の量の問題もも「抵抗が小さくなるから電流の量が増える」と書いた場合の裁量(個人的には抵抗は計算上のもので、電流の量が増える→抵抗が小さくなるは「あり」だが、抵抗が小さくなる→電流の量が増えるは「なし」)が知りたかったが、こちらもこの書き方で問題はないようであり、結果記述の中では一番簡単。
【記述-穴埋め】イオン式、力学的エネルギーの保存
電離式を完成させる問題は基本中の基本なので、間違えてはならない(むしろ名称を書かせる問題では「塩化物」イオンで間違える)。
大問の4の方は、問題の意図が取れない生徒がいそうだが、文脈的に入る用語が限られているので、分からなくても正解できた生徒はおそらくいるだろう。
初めの位置エネルギーが「大きい」ので、「越えていく」問題はめずらしいケースとは言えるが。
【計算】柱状図、速さ、日周運動
昨年よりはだいぶ難しい印象。記号選択の方がむしろ難しい。
大問1の柱状図の問題はもともと正答率が低めの問題ではあるが、さらに今回は断層でズレる(通常は傾く)という、ほぼ見たことのないケース。対応力が問われるところであるが、「実際の高さ」を「数字」で理解することが必要。
問題の解き方としては
①標高を書き込む
②カギ層までの距離を求める
③引く→「実際の高さ」
の手順。
今回は左(A,B)と右(C,D)に断層によるズレがあるので、まずはBとCが同じ標高(①26m)なので、地層部分のズレを求める。
そのために凝灰岩をカギ層として、B②2m、C②4mをそれぞれ先ほどの①から引く。
するとB③24m、C③22mになり、これが凝灰岩のそれぞれの地点での「実際の高さ」である。
これにより、左側が隆起している断層であり、2m持ち上がっていることが分かる。
C地点で凝灰岩の層が22m(実際の高さ)であり、「泥岩の層は」そこから3m下にあるので、「実際の高さ」で19mのところに泥岩の層はあることになる。標高がD地点は22mであるので、3m(22ー19)掘れば現れると分かる。
難問ではないが、正答率は相当落ちる。
大問4の速さの計算は絶対に取らなければならない問題。
記録タイマーのテープ問題よりストロボ問題は演習慣れしていない可能性はあるが、落とさないようにしたい。
速さ=距離÷時間
であり
距離=物体から物体までの距離
時間=発光間隔×物体の数
で計算するのだが、今回の問題は物体1つ分の間隔が10cmであり、1つ分の間隔が0.2秒なので
10÷0.2=50cm/秒と非常に簡単に求められる。
大問5
もともと日の出入りの計算は苦手とするところに、こういった分刻みの計算が求められると、時間のない焦りからも、捨てる生徒は多くなる。計算を工夫して楽に解きたい。
計算の仕組みとしては全ての間隔は等間隔で、それが「1時間」ごとにつけたもので、「2.4cm」である
という「時間」と「長さ」の関係を利用するものである。
「日の出」は東の方向なので、午前8時の●から、東側のふちまでの長さ8「8.6cm」を時間に直し、8時から遡れば(引けば)よいのである。
求めたい時間をxとすると、長さ:時間=2.4:1=8.6:x
x=8.6/2.4
これを分数のまま考える
8.6/2.4=86/24=43/12
ここで5倍するのがコツ
43/12=215/60=3と35/60
60は1時間(60分)を意味するので
この間隔(8.6cm)は3時間35分ぶんであるということ
それを午前8時から引くので、4時25分となる。
これも定石問題ではあるが、正答率は低い。
大問6
濃度の問題はそれだけで正答率が低い。
千葉県入試ではやっと出たという感じで、おろそかにしていた生徒もいるかもしれない。
まず水で薄めても溶質(エタノール)の量は変わらないというのが前提。
混合物が10gで、これが40%なので、溶質の量は10×40/100=4g
これをそのまま溶質(変わらない)として、5%にするのだから、4÷5/100=80g
の混合物にする必要がある。
もともと10gの混合物なので、80ー10=70gの水を足せばよい。
が、まっとうなやり方ではあるのだが
40%に対し5%なのだから8倍薄い
8倍(80g)にするためには70gの水が必要である、でいい。
大問8
これも選択問題なのでヤマ勘で当たることもあるだろうが、難易度としては高い。
計算自体は平均の時間を求めたいので、時間の合計÷人数をすれば良いだけ。
時間は表にたくさんあるので、これらの平均をとることは気付くだろう。
これも合計÷個数(5)とせずに、仮平均を使いたい。一番短い時間(0.74秒)と、一番長い時間(0.84秒)の間を取って0.79秒とすれば(-0.05+0.03-0.01+0.05-0.02=0)、ちょうど0.79が平均であることが分かる。
そしてこれが難しいところだが、人数で割ってはいけないのがポイント(5で割った時の答えも用意されている)。
Aさんの左手(ストップウォッチ)とEさんの左手(Dさん)が同時なので、今回の反応の対象者は4人(A,B,C,D)になる。平均を出して人数で割るという、手順を2つ挟むのも難点だが、今回は単純に人数で割った人も相当いるであろうと想像できるので、これは最も正答率が低いと考えられる。
【1】地層
(2)「生物の死骸」「塩酸で気体発生」→「石灰岩」は知識問題で落としてはいけない。
(3)ズレと力の関係があっているのはイとウ
要は切れ目に対しずり落ちている(正断層)のか、擦り上がっている(逆断層)なのかの問題。
計算で説明した通り、左が2m持ち上がっていることに気付けるか、なのだが、図2のイラスト的に反射的に(考えずに)ウを選んで正解している生徒も多いだろう。ちょっとだけ正答率が下がる。
【2】身の回りの小動物
(1)オオカナダモは書けない生徒は必ずいる。
逆に言うと、イメージがないので、「モ」に反応して単細胞生物に入れる生徒は必ずいる。
簡単だが、意外にひっかかりそうないい問題。「アメーバー」でなく「ミカズキモ」で導入する絶妙な伏線。
(2)「適当でないもの」を選ぶと分かっていれば間違えようがないか。
(3)これも模範問題で考える必要もない
【3】ボルタ電池
(2)解けるのは亜鉛版であること、(金属原子は)溶けると陽イオンになること
さすがにこれは覚えているであろう。いちおうこの大問の中では正答率は低い問題。
(4)そもそも「化学変化」しているものが他にないので、間違いようもないか。
【4】運動と力学的エネルギーの保存
(2)進行方向を考えてイやウを選んでしまいそうないい問題。
まず経験のない問題であろう問題なので、慎重さが試される。
今回は坂を上る問題なので、「遅くなる運動」である。
「遅くなる運動」は「進行方向」と「かかる力」の向きが「逆」
通常はこれを重力の斜面方向の分力として求めるのだが
本来は物体にかかる力は「重力」と斜面の「垂直抗力」、つまりアなのだが、
垂直抗力は大きさが決まっていないので、作図では重力を分解する形で求める。
このため、初めて目にする問題として感覚で解いて間違えてしまう。
アの2力の合力が結果、物体にはたらく力で、これが進行方向と逆向きなため、遅くなる。
できる生徒でも間違えそうで正答率は低い。
(3)はワークでも定期テストでも必ずやる問題で、間違えない。
【5】太陽の日周運動
(1)これは間違えないだろう
(3)ウに反応しそうな問題。
常識的に考えれば間違えないが、言葉だけ覚えていると間違える可能性がある。他の簡単な問題に比べると正答率は落ちる。
(4)これは弱い生徒がいる。
赤道の南中高度は90°
まではイメージできても、季節ごとの通り道(真ん中は春秋で冬夏は南北にズレる)まで覚えていない生徒は多いだろう。正答率は下がる。
【6】蒸留
(1)意外に見た目の記憶で飛びつく生徒は多いので、簡単でも正答率が下がる。
発生するのは気体だが液体で集めるので、ゴム栓は不要。
ここでひっかかるようでは高得点は狙えない。
(2)これは間違えない。
【7】磁界と力
(1)もともと間違えにくい問題であるが、図にPとして向きが分かっている方位磁針があるので、より間違えようがない。
(3)動く方向を逆にするためには「磁界の向き」か「電流の向き」を逆にすればよい。
通常なら簡単な問題なのだが、「磁石の向き」が逆になっているものが入っているのがポイント。
それほど影響なさそうだが、深読み(混乱?)して間違える生徒はいるかもしれない。少し正答率が落ちるか。
【8】反射
(1)abとも基本的な用語で、これは落とせない。
全体的にここ2年の後期の問題のような、解いた所感がヤバい
と感じるような全体的な簡単さはない。
非常に難しい問題も入ってはいないが、かといって簡単な問題ばかりでもなく
適度にひっかかりそうな問題もちりばめ、出来る生徒も何かしら間違えそう。
新鮮な問題もあり、バランスは良い感じ。
昨年が大きく平均と外したので、大きくは言えないが
さすがに60点を割るくらいにはなりそう。
いちおう手計算では58.8
前期より少し落ちる感じで、60点の前後あたりか。